【読みもの】『パソコンとヒッピー』ができるまで 連載1回目

【連載1回目】
『パソコンとヒッピー』ができるまで
雑誌『スペクテイター』の冒険、その現在地
取材・構成 桜井通開
はじめに
単行本『パソコンとヒッピー』の出版にあわせて、この作品はどのように作られたのかを明かすメイキング的な取材記事を書いてほしい、という依頼を『スペクテイター』編集部よりうけました。あわせて、これまでの『スペクテイター』の歩みについてもふれてほしい、とのことです。
私は『スペクテイター』にしばしば寄稿しているライターで、編集部とも親しく、半分インサイダーみたいなものなので、客観的な立場から取材することはできません。しかし、半分インサイダーであり、長年『スペクテイター』を見てきた読者でもある立場から、その親しさや知見をいかして取材することは、客観的な取材とはちがった良さもあるにちがいないと思い、これをうけることにしました。編集部によると、これまでこのようなことはやったことがなく、これが初の試みであるとのことです。
取材は、マンガ作品の原作担当であり、『スペクテイター』編集者でもある赤田祐一さんに対面インタビューをおこない、マンガ作品の作画担当である関根美有さんと、『スペクテイター』発行人である青野利光さんには、それぞれメールインタビューをおこないました。マンガ作品の成立過程については赤田さんと関根さんに、『スペクテイター』の歩みについては赤田さんと青野さんに、お話をうかがいました。(②へつづく)
人物紹介

赤田祐一(あかたゆういち)
1961年、東京都生まれ。編集者。ニュージャーナリズムを主題にした雑誌『Quick Japan』を93年に創刊。『スペクテイター』編集部には2012年から参加。著書『証言構成「ポパイ」の時代』(太田出版)、共著『20世紀 エディトリアル・オデッセイ』(誠文堂新光社)ほか

関根美有(せきね・みゆう)
漫画家・イラストレーター。著書に『白エリと青エリ』(タバブックス)、『関根美有傑作選 はびこる愛』(シカク出版)、『タビシエール椅子張り職人ツバメさん』(秋田書店)ほか

青野利光(あおのとしみつ)
1967年、茨城県生まれ。『スペクテイター』編集・発行人。1991年、雑誌『バァフアウト!』を創刊。99年、『スペクテイター』を創刊。2000年、エディトリアル・デパートメントを設立

桜井通開(さくらい・みちはる)
1969年、北海道生まれ。ライター・編集者・ウェブエンジニア。1990年代にミニコミ(ZINE)『shortcut』を発行。近年は雑誌『スペクテイター』にしばしば寄稿(「禅とサブカルチャー」「わび・さび」「土のがっこう」「パソコンとヒッピー」「自然って何だろうか」「自己啓発のひみつ」「文化戦争」など)
